紀州和歌山 山長商店 研修旅行<前編>
皆様、こんにちは。
この度、紀州和歌山「株式会社山長商店」さんに研修旅行にいってまいりました。
紀州和歌山「山長商店」さんといえば・・
弊社の家造りには欠かせない高品質な構造材(柱・梁)を生産している会社になります。
弊社とは20年以上も前からのお付き合いとなります。
今まで何度か山長さんの森を訪ねるツアーを開催させていただいておりますが、
前回は、コロナ過でツアーが中止になった経緯もありました。
山長商店さんとは、以前よりご縁が深く、
「令和2年度紀州材のベストユーザー賞」の大賞をいただいた際にも大変お世話になりました。
当時の様子です。
右の方が、和歌山県知事の仁坂知事(当時)、
左の方が、株式会社山長商店の榎本会長です。
今回は、「国産無垢構造材」の良さを再認識して来期へとつなげるべく、
急遽、山長商店さんへ研修旅行の予定を組みました。
12月10日(火)
朝早くの便で紀州和歌山に向かいます。
お天気にも恵まれて、機内からは富士山がきれいに見えました。
なかなかこのアングルから富士山を眺める事もないのですが、見事な景色でした。
ほどなくして着陸態勢に入ります。
紀州和歌山の山々、美しい海岸線も見えてきました。
無事、「南紀白浜空港」に到着しました。
ここで、山長商店さんからのご案内の方と合流します。
お忙しいなかありがとうございます。
マイクロバスに乗り込み、山の木を伐採している作業場に案内していただきます。
途中、和歌山の立地や気候、山長さんの歴史などお話をお伺いしました。
県道から細い路地に入り、伐採現場に向かいます。
なんだかだんだん道が狭くなってきますね・・
「バスで上がっていけるのかねー?」
なんて思っていたら、
こんなところでまさかの対向車が・・!!
「ここですれ違いは無理じゃない!?」
車内が少しざわざわし始めます・・
すると、なにやら人が下りてきましたよ。
良く見てみると・・
山長商店の榎本会長さんが自ら迎えに下りてきてくださいました!
さきほどの場所から少し上ると、開けた場所に出てきます。
そして、榎本会長自らご案内くださいました。
ここは、伐採した木材を集めて、車に積み込むための加工をしたり、
車両に積み込んだりする作業場となっている場所だそうです。
木を伐採した跡が見えます。
かなり険しい場所で伐採が行われていたのが分かりますね。
歩いて少し上っていきます。
重機が上がっていけるぐらいの道が整備されています。
写真の左側にワイヤーが2本見えているのが分かりますか?
伐採した木材をワイヤーを使ってこちらの作業場まで運ぶ事ができるそうです。
向こう側の山から、こちら側の作業場まで・・
実に870mもの長さのワイヤーを最初は手作業で伸ばしてくるそうです。
こんなイメージです。
パンフレットから引用させていただきました。
次に「プロセッサ」と呼ばれるマシンの実演をしていただきました。
先端の特殊な器具で木材を挟み込んで、皮をむいたり、好きな位置でカットしたり・・
あっという間に自由自在に木材を加工する事ができます!!
中にチェーンソーが隠れているのが見えるでしょうか?
お忙しいところ、実演まで見せていただきありがとうございました。
続きまして、別の森に向かいます。
この森は、山長商店さんが明治25年に植えた森になります。
榎本会長は午後の便で東京に行かれるそうなので、ここまでのご案内です。
お忙しい中、本当にありがとうございました。
樹齢135年の杉の林になります。
人と比べるとこの大きさ!
100年超えの無垢に木に感動します。
バスでさらに上っていくと、展望の開けた場所に到着しました。
ここから見える山、全部が山長さんの所有林だそうです。
この絶景を堪能しながらの昼食タイムとなります。
美味しそうです。
昼食を食べたら少し歩いていただきますよ。
山に入る前に、ひとり1本づつ杖をいただきます。
もちろん山長さんの芯持ち材です。
握りやすい太さのものを厳選していただいおります。
なんだかこの森は妖精さんがいる気がしますね・・
しばし時間を忘れて森の中を歩いていきます。
研修という事で来ておりますが、なんだか心がリラックスしていきます。
ようやくバスが待つところまで下りてきました。
結構脚にきました・・
杖、お借りできて助かりました。
再びバスに乗り込み、「貯木場」に向かいます。
山から切り出されてきた木材を一時的に貯蔵する施設です。
今の時期は木材が少ないとの事でした。
見てください!
目込み材と言って、年輪が細かく刻まれています。
時間をかけてじっくりと育てられた事が分かりますね。
山長さんの構造柱は、60年かけて育った材を4寸(120ミリ角)で使用します。
関東近県では、そこまでじっくり育てた材はなかなか出会えないと思います。
反対側から見ると、「赤目」と「白太」がきれいに分かれていますね。
中心の方が「赤目」、周囲の部分が若い部分の「白太」、
成長を終えた「赤目」の部分の方が強いとされています。
山長商店の本社までやってきました!
工場内を見学させていただく前に、ヘルメットとインカムを着用します。
応接室には、山長商店さんの歴史が記されているパネルがありました。
本当に、江戸時代から木を植えていました。
当時は、住宅用の木材ではなく、高級木炭をつくるために木を植えていたそうです。
高度成長期へ向かう時代、量産化へ波に乗っていきます。
「山長商店」という社名になったのもこの頃だそうです。
いくつもの時代を見てきた山長商店。
高品質な木材を供給できる体制を築いていきます。
工場の見学前に、山長商店のすべてのスタッフさんたちと一緒に記念撮影をさせていただきました。
皆様、お忙しい中ありがとうございました。
貯木場にあったものと同じぐらいの木材です。
加工されるのを待っています。
先ほどの丸太から大きな平角の梁を作っている工程です。
写真では伝わらないかもしれませんが、
大きな丸太が切り取られていく様子は大迫力です!!
4方をきれいに切り取られて、
現場で良く見かける平角梁の形になりました。
まだ生木を加工していますので、触ってみると濡れた感触です。
こちらは、まだ乾燥前の柱です。
4寸角(120ミリ角)にする前は、ひと回り太いサイズで加工していきます。
こちらが、高温蒸気減圧乾燥機です。
内部を減圧する事で沸点を下げて、
木材の負担を減らしながら乾燥を行う優れものです。
乾燥後の柱です。
特筆すべきは、山長さんから出荷される柱や梁は全品検査を実施している事です。
農林規格のJASマークも取得しています。
ヤング係数、含水率もすべて検査が実施されて、刻印が打たれます。
こんな取組みをしているのは、山長さんだけじゃないでしょうか?
木材に割れなどがないかチェックしている工程です。
厳しい検査を抜けたものだけが、山長材として出荷されていきます。
工場を見学していて感じたのが、ベテラン社員さんたちの中に若い社員さんが多くいらっしゃいました。
山長さんの中でも、世代交代が進んでいて多くの若い社員さんたちが活躍されているそうです。
多くの技術や確かな目利きなど、若い世代にも確実に継承されているようです。
こちらは、現しの梁の最終仕上げを施す部署です。
ここではベテラン社員さんが1本ずつ仕上げていきます。
柱に印字されているものを再現していただきました。
弊社で家を建てていただいた際は、こちらの印字が刻まれてきます。
今月後半に上棟予定の弊社のお施主様の材料が出荷を待っていました。
これから埼玉に送られる予定です。
工場の見学を終えて、事務所の中も見学させていただきました。
ここは山長商店さんの頭脳ともいうべきCAD室です。
ここでプレカット図面が起こされていきます。
ちょうど弊社の物件をやっているところでした。
プレカットの3Dパースを見せていただきました。
山長さんの工場見学を終えて、品質に対するこだわり、
作り手の熱い思いがとても伝わってきました。
その後、地元の美味しい料理を囲んで懇親会を行いました。
こうして、紀州和歌山の1日目の夜は更けていきました。
(後半に続きます。)
後編はこちらです。
https://www.risoh-k.com/co_diary/calender/20241220.html