【パッシブデザイン実例】エコ・省エネ住宅設計のポイント
弊社のエコ・省エネ住宅の取組み、「パッシブデザイン」設計の実例をご紹介いたします。
当社がパッシブデザインで取り組んでいること
① 『日射熱利用暖房』のため建設地域の太陽の日射量を調べます。
夏は太陽が高く登るため、日差しは庇等で遮られて室内の日射量が少なくなり、
冬は低い位置からの日差しのため室内の奥まで光が届き、日射量が多くなります。
冬の太陽の熱を取り入れ、暖房機器に頼らない省エネで暖かい家を設計します。
②『省エネ設備』、南の窓に熱を貯金する窓を採用します。
冬の取り入れる太陽の熱を最大限活用できる窓を検討します。
< 春日部市の気象データ >
冬の平均日射量:459W/㎡
冬の平均外気温:5.1℃
※窓の性能によって日射取得率、引違熱貫流率は変わります。
※熱の貯金=「窓から入る熱」-「窓から逃げる熱」。
「熱の貯金」の数値が高いほど、日が落ちた後も室内の暖かさを保ちます。
窓から入る熱 712W × 10時間 = 7120Wh
窓から逃げる熱 81W × 24時間 =1946Wh
1日の熱の貯金 = 5173Wh
※入る熱10時間は、冬の日照時間 (7:00~17:00頃)を指します。
1日でストーブ5時間分(約5000Wh)もの
熱の貯金ができます。
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35年で考えると1つの窓で
『44万円』もお得になります。
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『南の窓』を大きくし、
太陽の熱をたくさん取り入れる設計をしています。
< 参考 >
窓の大きさ 1.65m×2.0mの場合
1日の貯金額 |
140円 |
1冬の貯金額 |
12,600円 |
35年の貯金額 |
441,000円 |
※設計状況により異なる場合がございます。
③『自然風利用』のため、建設地域の風向きを調べます。
家の快適性を考えたときに、日当たりと同じくらい重要なポイントが「風通し」。
現地近辺の風向きを調べ、窓を開ければ優しい自然な風が流れる家を設計します。
エコ・省エネ住宅 設計実例
実際の敷地を元に、どのようにパッシブデザインを取り入れたエコ・省エネな住宅を検討していくかをご紹介いたします。
①この敷地が周囲からどのように日影の影響を受けるのかを分析
< 敷地の状況 >
・方位は若干北東に傾いている
・東側と北側は道路
・南側の住宅が近い
・南側隣地は地盤が若干低い
・西側隣地にも家が建つことを想定
・敷地面積121㎡(36.6坪)
②冬の一番寒い時の敷地への日照をシミュレーション
1階床の高さ(レベル)の1日の日当たりをシミュレーションした結果です。
1月15日で想定した日照
< 結果 >
10時より1階南側の西寄りの窓に、南の住宅の影が差し、
14時には1階ほぼ全ての窓に日差しが入りません。
③間取りの配置(ゾーニング)
「お客様のご希望」、「周囲の建物からの日影の影響」、「冬の一番寒いときの日当たり」を踏まえて、おおまかな間取りの配置を考えます。
2階の東寄りに吹き抜けを作り、1階LDKに太陽の熱を取り込みます。
また、建物配置を北に寄せるプランニングを検討します。
④プラン
ゾーニングを元に作成した1階、2階の平面図です。
< プランの詳細 >
キッチン、洗面所が一直線の便利な配置。
さらに1階は洗濯物を干せるウッドデッキ、2階には室内干しスペースを確保とアイデアの詰まった家事ラク動線です。
リビングにはスタディカウンター、2部屋にできる8.25帖の洋室とお子様の成長に合わせて変化していく間取り設計に。
2階には書斎のように集中できるワーキングスペースを確保しました。
⑤建設エリアの風向きを調べる
< 結果 >
・冬場は北西からよく風が吹く
・夏場の起床時は東南東からよく風が吹く
どんな方向から風が吹いても風が通る家です。
⑥省エネ(断熱)性能計算
プラン作成と並行して、省エネ性能の数値を求めます。
UA 値とは断熱性能の基準となる数値です。
※UA値は数値が小さいほど断熱性能が高くなります。
今回のプランでは「UA値0.46」と
ZEH基準(UA値0.6以下)を大幅にクリアし、
HEAT20 G2基準の性能となっております。
⑦内観イメージ
南面の庭側の掃き出し窓、吹き抜けの高い位置から日差しを差し込み、冬場でも明るいリビングダイニング空間です。
⑧外観イメージ
南面には太陽の熱と光を取り入れるため、多くの窓を設けました。
夏は外付けブラインドとシェードで強い日差しを遮り、室内の温度の上昇を防ぎます。
顔となる東面は、小庇でアクセントを持たせ日差し対策も兼ねています。
⑨日照イメージ
冬の一番寒いときの日照シミュレーションの結果です。
1月15日で想定した日照
< 結果 >
2階の吹き抜けの窓からは常に日差しが入ります。
冬の南側の低い日差しも吹き抜けから取り入れることができ、内観イメージ通りの冬でも明るいLDKとなります。
⑩完成!
以上で、パッシブデザインを取り入れたエコ・省エネ住宅のプランが完成いたしました。
自然の力を活かし、夏は涼しく冬は暖かく過ごせる住む人と環境に優しい家。
建築エリアの気象条件や、周辺の環境によって変わるパッシブデザインを実現するには
様々な調査やシミュレーションが必要であり、確かな知識と技術が必要です。
さらにリソーケンセツでは厳選した自然素材を使用し、
無垢の木の爽やかな香りに包まれる「無添加無垢の家」で
健康的かつ心豊かな暮らしをご提案いたします。
パッシブデザインを体感できる展示場・モデルハウス
弊社の全展示場、モデルハウスでも「機械設備に頼らずに、夏は涼しく冬は暖かい」パッシブデザインによる快適空間、肌に触れない壁や天井の中の下地まで無垢材を使用した「健康空間」を実際に体感していただけます。
ZEH住宅、LCCM住宅についても対応しております。
ぜひお気軽にご連絡ください。