OB様より無垢床再生のご依頼をいただきました。
今回はその様子をご紹介いたします。
無垢床の特徴として主に以下の4つが挙げられます。
①木が呼吸をすることにより調湿され、夏でもサラッとした足触り
②空気を含むため、断熱性が高く熱伝導率が低いことにより、冬もじんわりとした暖かさ
③経年により色艶が増し、より美しい風合いへの変化を楽しめること
④汚れや傷も、ひと削りで新築時のような真新しさを取り戻すこと
今回再生していく無垢の床は厚さ30mmの杉材です。
築10年で5年住まわれたあとにご事情で5年ほど家を空けられており、
その間にほぼ空気の入れ替えやメンテナンスができずに無垢の床にシミができてしまったとのこと。
こちらの床を3回にわたり、やすりの粗さを変えて磨いていきます。
無垢床の再生の様子
まずは作業前の無垢床の状態。
長期間住まわれていない家は空気が全く流動せず、また防犯のためシャッターを閉め切ることで太陽光も入りにくくなり、室内の湿気がこもりやすくなります。
人が暮らしている家では扉や窓の開閉、人が動くだけでも空気が循環しますので無垢の床にこのようなシミができる心配はありません。
まずは表面を削っていきます。
木の伸縮する性質を活かし、濡らして膨らませることで平らに修復にしています。
通常のフローリング床では傷が付いたら修復することは出来ませんので、傷や凹みは直すことができるというのは無垢材の大きなメリットの一つ。
水分をより吸い込みやすいように一度表面の汚れやオイルワックスを削った後にこの工程を行うのがポイントです!
中仕上げである2回目の磨き作業が終わりました。
すでに見違えるように美しく木目が出ておりますが、さらに目の細かいやすりで削っていきます。
本仕上げが完了したところです。
シミや傷がなくなり、ツヤのある表面に仕上がりました。
本仕上げが完了した時点のリビング全体の床の写真です。
こちらに植物性のオイルを塗布することで木のやわらかい手触りや表情といった質感は活かし、油分を補給することで撥水性と防汚性をプラスしていきます。
木目が美しく浮かび上がり、新築当時のような美しさを取り戻しました!
作業前と比較すると、違いは一目瞭然です。
▲作業前
▲作業後
無垢の床は今回のように変色や傷があったとしても、丁寧に磨くことで本来の美しさを取り戻します。
これは合板のフローリングにはない強みです。
これから年数を重ねるごとにより色艶が増し、味のある空間に仕上がっていきます。
新築時のような初々しい色味となった無垢の床が、これからご家族の暮らしと共に美しい風合いに変化していくのも楽しみですね!
OB様、お写真のご協力ありがとうございます。
今後とも末永いお付き合いをよろしくお願いいたします。
今回の無垢床再生の様子を動画でもご紹介しております。